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エミネム、Shady RecordsがGRIPとの契約を決めた経緯

コラム

2018年当時、駆け出し中のラッパーGRIPは”Atlanta’s Next Great Storyteller”(次に来るアトランタの偉大なストーリーテラー)という謳い文句を名づけられた。2017年に発表した1stスタジオアルバム”Porch”は、3つの視点から書かれたコンセプト・アルバムで、濃密なリリック、流暢なフロー、緻密にアレンジされた様々なムード、そして彼が音楽に心と魂を注いでいることが感じられる作品でしたが、日の目を見るには少し時期尚早だった。

“Porch”は、熱狂的なファンを獲得し業界内でも噂になっていた。傍から見たらGRIPの長年の努力が実を結んだかのように見えていた。ストリーミングの数は決して多くはなかったが、メジャーレーベルが手を差し伸べて大ブレイクは間近かと思われていた。

しかし、舞台裏では2児の父であるGRIPは生活費を稼ぐのに必死だった。評論家達がGRIPをラップ界の希望の1人としていた時、GRIPは副収入を稼ぐためにUberを運転していた。そして、業界が次のストーリーテラーの1人としてGRIPにスポットライトを当てている間、彼は車道で車が故障したことに対処していた。彼は2つの世界を同時に生きていたのだ。

それからの数年間、GRIPは黙々と創作活動を続けながらインディーズ状態を維持し、コンスタントに新曲を仕上げていた。2019年には、GRIPの評価を更に高めた作品”Snubnose”をリリース。前作よりも進歩が見られ、より多くのチャンスの扉が開かれていた。だが、彼のラップキャリアの芽は依然として挫折や複雑さと隣り合わせだった。彼は多くの障害に遭遇することになる。世界的なパンデミックによって音楽業界全体が閉鎖されてしまったことも1つだった。

隔離期間中もGRIPは創作活動を維持し、シングルやEPを次々とリリースしていた。悪夢のような2020年を過ごす中で彼は限界に達していた。人生を変えるようなレーベルからのオファーが土壇場で途切れたり、ブレント・ファイヤズ(Brent Faiyaz)と共に予定していたツアー”FTW Tour w”がパンデミックの影響で中止になった。音楽業界から見放されたと感じていたGRIPは諦める寸前だった。

そんな時にあの男から電話がかかってきた

“Snubnose”が決め手となりエミネムと契約

GRIPとの契約について問われたエミネムは次の通り語っている

「“Snubnose”を聴いてから、俺達はGRIPに興奮したんだよ。新しく出てくるアーティストが、コンセプト重視のアルバム作りに集中しているのはとても新鮮だったし、俺はそこに注目したんだ」

2021年現在、多くのレーベルはストリーミング再生数やソーシャルメディアでのフォロワー数に基づいてアーティストとの契約を行うが、エミネムはそれ以外のものを求めていた。

「俺達が契約したアーティストがより多くのオーディエンスと繋がることは素晴らしいことで、50セントはその完璧な例だ。もちろん、Shady Recordsと契約したアーティストには成功してほしいと思っている。だけど、俺たちはそのアーティストが持っているMCとしての才能や能力を何よりも重視している。高いレベルでの基礎的スキルやメカニックが優先されるのは間違いない」

エミネムとの契約は、大勢のシェイディ・ファンがムーブメント的にGRIPに注目したことからもわかるように既に効果が表れている。この流れは両者の間の相互尊重から始まった。

「クリエイティブなコラボレーションを成功させるためには、個人同士の繋がりがかなり重要だ。Shady Recordsはブティック・レーベルで、あまり多くのアーティストと契約しない。だから契約したアーティストとより深く関わるチャンスがある。それはお互いに言えることなんだ。俺も契約したアーティストに刺激を受けたいし、彼らが持っている創造性で後押しして欲しいとも思ってる」

GRIPのShady Recordsデビューアルバムの制作についてはGRIPに任せているという。

「俺たちが契約したアーティストたちは、彼らと一緒に仕事をしたいと思えるような視点や雰囲気をそもそも持ってる。俺たちの仕事は、彼らがより多くの人に知ってもらえるように手助けすることだけど、必要とされていないところに自分が入り込むのは好きじゃないんだ。俺はアーティストがやった事に対して、どこで、どのように関与できるかを探してる」

GRIPは、8月27日(金)にアルバム”I Died For This!!!”をリリースしShady Recordsからデビューした。

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