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エミネム、全方位ディスアルバム”Kamikaze”徹底解説

Kamikaze

2017年12月に発売されたアルバム”Revival”に続く、9枚目のメジャー・アルバムとして”Kamikaze”を 2018年8月31日にサプライズリリースしました。 エグゼクティブプロデューサーにはDr.DreとSlim Shadyがクレジットされている。

前作”Revival”にバッシングを浴びせた連中に対する反撃

2018年1月8日、エミネムは”Revival”に収録されていた”Chloraseptic Remix”を発表。新たなヴァースと2 ChainzとPhresherをゲストに迎えてのサプライズ・リリースとなった。エミネムはこの曲の中で”Revival”を批判した連中に向けて

「俺はロケットパックの燃料を追加しただけだ/答える準備ができたら、ヤツらに向けて発射してやるよ/クソな胚嚢の頃から馬鹿げてんだ、死体袋に入るまでな/また戻ってくる/そして俺が戻ってきた時はお前の喉元を狙うぞ」

と締めくくっていた。この一節は恐らく”Kamikaze”のリリースを示唆したものだと思われる。

“Kamikaze”は”Chloraseptic Remix”と同様に、前作”Revival”に対して否定的に捉えている連中、特に偏った評価をした批評家や、アンチファンに対して全方位型にディスを仕掛けています。また、アルバムの中で数多くのラッパー、現在のヒップホップ文化、および以前の友人や共演者との関係についても触れています。

アルバムのタイトルである”カミカゼ/神風“は、エミネムが神風特攻隊に搭乗するパイロットと同じように、このアルバムで彼のキャリア、評判、および「人生」を危険にさらすことを暗示している。

アルバムに参加しているゲストにはBad Meets Evilの相方Royce da 5’9″ 、Joyner Lucas、Jessie Reyez等が名を連ねている。Justin Vernonは、クレジットこそされていませんがリードシングル”Fall”でボーカル参加。プロデューサー陣にはMike WiLL Made-It、Boi-1da、Tay Keith、CuBeatz、Ronny Jなどが制作に加わっています。

アルバムアートについて

エミネムの地元デトロイト出身のグラフィティ・アーティスト、Mike Saputoによって作成されたこのアルバムアートワークは、1968年に発売されたBeastie Boys(ビースティ・ボーイズ)のアルバム”Licensed to Ill “のパロディジャケットです。

まさかの印字ミス!?

サプライズ・リリースの影響でストリーミング・サービスにて9曲目の”Kamikaze”と10曲目の”Fall”の曲順が逆になっているミスが発覚。原因はアルバム裏表紙の印字ミスによるもの。アルバム発売日当日、ストリーミングサービスのエラーは修正されましたが、裏表紙のアートは修正が間に合わなかった。

エミネムは「カミカゼインタビュー」と題したSway Calloway(※1)との4部構成のインタビューを公開し、アルバム制作時の心境を詳しく語っています。パート1は2018年9月11日にリリースされ、パート2は9月12日、パート3目は9月13日、パート4は9月14日にリリースされました。Hip Hop DNA様の字幕付きの動画があります。

(※1)スウェイはエミネムのラジオ局Shade45にて、毎週月曜日の夜”Sway in the morning”という番組でホストを勤めています。

このアルバムでディスられたラッパーの反応

エミネムはクリーブランド出身のラッパー、マシンガン・ケリー ( MGK )に対するディスを強調しています。”The Ringer”でMGKの名前を挙げ、”Not Alike”で痛烈にMGKをディス。(詳しいディスの内容は下記にリンクしたページに記載しています)曲中でMGKを嫌う理由について深く掘り下げています。MGKはインスタグラムで反応し、いくつかの投稿をした後にエミネムに対するディス曲”Rap Devil”をリリース。

MGKは、高齢に差し掛かっているエミネムの年齢、髭を蓄えた最近のエミネムの外見、数年前にMGKがエミネムの娘ヘイリーに対して”hot as fuck”(くっそエロイな!)とツイートして以降、エミネムのラジオ局Shade45がMGKの曲の放送を取りやめ、出入り禁止になっていると主張。ラップ・ゴッドと自称するエミネムが、最近は若手ラッパーに対して苦言ばかり呈していると反論しています。

MGKの”Rap Devil”に対するアンサーソングとしてエミネムは”Killshot”を 2018年9月14日にリリースしています。

エミネムがカミカゼでディスした13人をピックアップ

“カミカゼ”に対する世間の反応は?

カミカゼはビルボード200(アメリカのアルバムチャート)で1位でデビューし、最初の週に434,000枚相当のユニット販売を記録。これはドレイク(Drake)の”Scorpion”、トラヴィス・スコット(Travis Scott)の”ASTROWORLD”、リル・ウェイン(Lil Wayne)の”Tha Carter V”、ポスト・マローン(Post Malone)の”beerbongs & bentleys”に続いて2018年で5番目に売れた初週売り上げです。
2017年12月に発売した”Revival”の初週売り上げは267,000ユニットであったため、カミカゼに対する注目度の高さが数字にも表れている。 2018年10月22日時点でカミカゼがプラチナ・ディスクの認定を受けた。エミネムは2018年に75万枚のCDセールスを記録。この記録は全世界のアーティストで1位となっている。

賛否両論の評価

批評家の間では賛否両論の評価に分かれている。エミネムのキャリア初期同様に、全方位に攻撃的/ディス満載な作品に戻ったと評価する意見もあれば、”現在のヒップホップ・シーンの音に適応できていない”と時代遅れだと評価する意見も出ている。また、”Fall”の中でタイラー,ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)に向けられた、同性愛嫌悪な詩に非難が浴びせられ物議を醸した。

アルバムクレジット

マスタリング: Brian Gardner

エグゼクティブプロデューサー: Dr.Dre & Slim Shady

配給業者:Universal Music Group

レコード原盤権℗:Interscope Records, Aftermath Entertainment, Shady Records & Eminem

著作権©: Eminem

レーベル:Shady Records, Interscope Records & Aftermath Entertainment

ソングクレジット

共演者:Jessie Reyez 、 Joyner Lucas 、 Royce da 5’9’’

プロデューサー陣: Backpack 、 Boi-1da 、 CuBeatz 、 Eminem 、 Fred Ball 、 IllaDaProducer 、 Jahaan Sweet 、 Lonestarrmuzik 、 Luis Resto 、 Mike WiLL Made-It 、 Ronny J 、 S1 、 Tay Keith & Tim Suby

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コメント

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