RELAPSE
誇張した声色とホラーの語り。復帰期の暗い劇場と、内省の「Beautiful」が共存する。
作品の背景を読む ↗
2022 / GREATEST HITS COLLECTION
EMINEM
あの幕の、続きがある。
2009年から2022年へ。第二幕の到達点。

01 THE SECOND ACT
一度の幕引きでは、
語りきれない。
復帰、成功、反発、内省。
そのすべてが、
同じステージに戻る。
『Curtain Call 2』(カーテン・コール2)は、2022年8月5日発売のEminemのベストアルバム第2弾だ。2005年の『Curtain Call: The Hits』に続き、『Relapse』以降のソロ曲、共演、サイドプロジェクト、映画への提供曲をまとめる。[01][04]
年代順に進む回顧ではない。「Godzilla」の加速、「Walk On Water」の不安、Snoop Doggとの2022年の共演が同じ曲順の中に並ぶ。本作を聴く面白さは、時代の違う声を行き来し、その変化を自分で確かめられることにある。
ここでは配信版の全35曲を案内する。新曲「Is This Love ('09)」と、先行発表された「From The D 2 The LBC」「The King and I」の来歴、媒体ごとの違いも分けて紹介する。[01][02][04]
02 THE JOURNEY
7つのアルバムの時代と、ソロ作の外で起きた出会い。全曲の発表年は後半のガイドで確認できる。
誇張した声色とホラーの語り。復帰期の暗い劇場と、内省の「Beautiful」が共存する。
作品の背景を読む ↗「Not Afraid」の再起からRihannaとの共演へ。個人の回復を広い聴き手に届ける。
作品の背景を読む ↗過去の作品名を再訪しながら、「Rap God」と「Headlights」で技巧と関係の変化を刻む。
作品の背景を読む ↗BeyoncéやEd Sheeranとの共演。大きな歌の内側で、名声への不安や後悔を語る。
作品の背景を読む ↗前作の受け止められ方へ鋭く応答。Joyner Lucasと共演し、競争の場へ戻る。
作品の背景を読む ↗「Godzilla」の技巧と「Darkness」の社会への視線。Hitchcockの語りが作品をつなぐ。
作品の背景を読む ↗同年12月に追加16トラック。「Gnat」「Higher」が第二の展開を本作へ持ち込む。
作品の背景を読む ↗共演と代表曲を編み直す。2009年のセッションに由来する初出曲も、今の耳へ届く。
35曲をたどる ↓03 / EMINEM × SNOOP DOGG
「D」はEminemの拠点デトロイト、「LBC」はSnoop Doggゆかりのロングビーチを指す。Eminemが細かい音節を畳みかけ、Snoopは低い声と余白で応じる。同じ伴奏の上でも、二人が使う時間の感覚は異なる。[07][13]
本作のリードシングルは、2022年6月23日のApe Festで、James Larese監督の映像とともに初披露された。MVは実写のスタジオから、二人のBored Apeのキャラクターが動くアニメーションへ切り替わる。地理だけでなく、現実と描かれた世界も往復する共演である。[01][07]
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公式YouTubeで視聴する ↗04 / EMINEM × 50 CENT
Universal Musicの公式発表は、この曲を2009年の『Relapse』セッションで作られた楽曲と説明している。正式な発売は2022年8月5日の『Curtain Call 2』である。制作の出発点と、聴き手へ届いた時期を分けて捉えたい。[09][17]
公式音源のProducer表記はDr. Dre、Trevor Lawrence Jr.、Mark Batson。EminemはAdditional Producerだ。軽快に跳ねる伴奏、芝居がかった音の並べ方、50 Centの低い声が、復帰期の音楽的な記憶を呼び起こす。[10]
『Relapse』との時代的な関連はあるが、同作に収録されていた曲ではない。[09][10]
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公式YouTubeで視聴する ↗05 / EMINEM × CEELO GREEN
Baz Luhrmann監督の映画『Elvis』へ提供された楽曲。CeeLo Greenがフックを担い、Dr. DreとEminemがプロデュースする。単曲は2022年6月16日に発表され、同月発売の映画サウンドトラックにも入った。[01][11][12]
Elvis Presleyの「Jailhouse Rock」を取り込み、Jerry LeiberとMike Stollerの名前も公式の作詞作曲クレジットに並ぶ。跳ねるリズムとCeeLoの張りのある声が、映画に結びつく曲を独立したラップの見せ場にもする。[11][13][21]
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公式YouTubeで視聴する ↗06 / EMINEM × JUICE WRLD
2020年の『Music To Be Murdered By』収録曲。Juice WRLDの旋律が、Eminemの怪物的な自己像に親しみやすい入口を作る。制作はd.a. got that dope、追加制作はEminem。終盤の高密度なラップは、その前にある歌と余白によって強く際立つ。[13]
Cole Bennett監督の公式MVは、巨大な店、奇妙な分身、炎、Mike TysonやDr. Dreの登場を、ブラックコメディーへ組み立てる。最後にはJuice WRLDへの追悼が置かれる。掲載した二人の写真は同じ撮影現場のものではない。
『Curtain Call 2』がこの曲から始まることで、回顧の入口に新しい世代との共演が置かれる。速さの数値を競うだけでなく、二つの声が生み出す構成から聴き直したい。[02]
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公式YouTubeで視聴する ↗07 THE 35 TRACKS
曲順は配信版。輸入盤CDは34曲。
Juice WRLDの歌うフックが、怪物を演じるラップに耳なじみのよい入口を作る。終盤では音節が極端に密集するが、曲全体は速さ一色ではない。d.a. got that dopeのビートに乗る余裕と加速の落差が聴きどころだ。世代を隔てた声の共演を、ベスト盤の最初に置く意味は大きい。[13]
聴きどころ
最終ヴァースだけでなく、フックへ戻ったときの拍の広さにも耳を向けたい。
上へ向かうJoyner Lucasと、頂点で評価を問われるEminem。同じ成功を違う場所から語る構図が、共演を単なる技量比べ以上のものにする。細かく刻むフロウと低いビートの組み合わせは『Kamikaze』の反発力を代表し、若い世代との接続も本作へ持ち込む。[13]
聴きどころ
先に登場するJoynerの切迫感と、Eminemが置くアクセントの位置を比べる。
Bad Meets EvilはEminemとRoyce da 5’9”のユニットだ。Bruno Marsの旋律が、二人の経歴を振り返るラップを大きな合唱へつなぐ。ソロ作だけを集めず、長年の相棒との作品も含める本作の射程を示す一曲である。速い掛け合いとは違う、ユニットの開かれた表情が残る。[13]
聴きどころ
EminemとRoyceの二つのヴァースを、Brunoの歌がどう結び直すか。
ウイルスや隔離など、2020年の言葉をラップの比喩へ変える。d.a. got that dopeの制作は後半で響きとリズムを切り替え、Eminemも流れに合わせて密度を上げる。高速フロウの先に、構成そのものを動かす巧みさがある。『Side B』の遊び心と技術を一緒に聴ける代表曲だ。[13]
聴きどころ
終盤の速さへ至る前に、伴奏の質感が切り替わる瞬間を探す。
Script Shepherdの制作による手拍子を思わせるリズムと掛け声が、立ち上がる人物像を支える。過去の失速を語るだけでなく、あり得ないほど大きな自己像を言葉で組み立てる曲だ。『Recovery』の再起を、内省とは異なる、肉体的な勢いから伝える役割を持つ。[13]
聴きどころ
ドラムと集団的な掛け声の間に、ラップがどのように食い込むか。
Beyoncéの抑えた歌とピアノを中心に、名声が生む期待への不安を語る。超人的な技巧を持つ人物が、自分は失敗する人間でもあると示す。その弱さが「Rap God」の誇張された自己像と並ぶことで、本作に単なる勝利の記録とは違う奥行きが生まれる。[13]
聴きどころ
ビートの派手さに頼らない空間で、言い直すような呼吸を聴く。
ヒップホップへの参照、自己誇示、言葉遊びを、拍の取り方を変えながら長いヴァースへ詰め込む。高速部分が象徴的だが、その直前までの緩急も含めて成立する曲である。2000年代の名声を、2010年代の技術的な存在感へ接続するための重要な柱となる。[13]
聴きどころ
速い箇所だけを切り取らず、声を遅く置く部分との落差を聴く。
RihannaのフックとEminemのヴァースが、暴力と依存を伴う関係の循環を描く。美しい旋律に対して、語り手の怒りや自己正当化は不穏だ。恋愛の幸福を歌う曲と取り違えず、声の対比を聴く必要がある。『Recovery』の大衆的な響きと、痛みを伴う物語を同時に代表する。[13]
聴きどころ
フックの滑らかさと、ヴァースの言葉が徐々に荒くなる過程を比べる。
P!nkの力強い歌を迎え、歪んだギターと重いドラムが抵抗の姿勢を押し出す。ラップは攻撃的な比喩を連打し、歌は大きな標語として響く。『Recovery』の幅広い共演の中でも、ロックへ接近した音作りが際立つ一曲であり、ベスト盤の音の振幅を広げている。[13]
聴きどころ
歌とラップが交代するところで、声の圧力がどう変わるか。
大きなフックと重い拍を、自分を追い込むための声として使う。Eminemがプロデュースし、Sly Pyperが追加ヴォーカルで関わる。客演名義と制作参加は区別したい。成功後も鍛錬を続ける人物像が、過去をまとめる本作に現在進行形の緊張を与える。[13]
聴きどころ
観客へ向けたようなフックを、自分自身への言葉として聴いてみる。
Rick Rubinの制作によるロックとヒップホップの接続が、ざらつく音像に表れる。整った歌の滑らかさより、切り貼りの勢いと声の悪ふざけが前に出る。初期の作品名を再訪したアルバムの中で、さらに古いラップの感触へ手を伸ばす姿を代表している。[13]
聴きどころ
声だけでなく、背後で切り替わるサンプルとドラムの質感を追う。
自分の過去に向き合い、同じ困難にいる人へ呼びかける。個人的な回復を大きなフックへ広げる構成が、ひねくれた語り手だけではないEminemの像を作った。『Relapse』から『Recovery』へ変わる方向性を、本作の中でも最も明確に示す曲の一つである。[13]
聴きどころ
ヴァースの告白が、複数形の呼びかけへ広がる構造に注目する。
都市名を掲げた共演は、EminemとSnoop Doggの異なる声とフロウを並べる。James Larese監督のMVは実写とアニメーションを往復する。既発の代表曲の間に2022年の新しい共演を置くことで、回顧の先にある交差点を示す。本作を告げるリードシングルである。[13]
聴きどころ
EminemからSnoopへ受け渡すとき、同じ拍の上の余白が変わる。
Kehlaniの伸びやかなフックに対し、ラップは社会への苛立ちと破滅的な感覚を重ねる。題名の停滞感と、前へ押し出す大きな伴奏がねじれる。ポップな歌の形の中へ不安を持ち込む『Revival』の一面を示す。後年の拡張版と、ここに並ぶアルバム曲の来歴は分けて考えたい。[13]
聴きどころ
開放的なフックが、ヴァースの閉塞感とどのように響き合うか。
批評や同業者の言葉へ応答し、名前と韻を連ねていく。抑えた歌の反復と、相手を指さすようなラップの対照が特徴だ。攻撃的な言葉には議論を招いた表現も含まれる。『Revival』後の反応を作品へ直接持ち込んだ『Kamikaze』の転回点として、本作に必要な一曲となる。[13]
聴きどころ
歌の反復が一定に続く中で、ラップの感情がどこで強まるか。
映画『Southpaw』に結びつく曲で、倒されても起きる意志を誇張した自己像へ変える。重い打音と反復するフックが、身体を前へ進める。ソロのスタジオアルバムだけでは見えない、映画へ音楽を届ける活動を本作に持ち込む代表例である。[13]
聴きどころ
大きなフックを支える低音と、短く区切るラップの呼吸を聴く。
Royce da 5’9”とEminemが、細かい韻と悪ふざけを受け渡すBad Meets Evilの曲。Bruno Marsを迎えた「Lighters」とは違い、ラッパー同士の反射神経が前面に出る。ユニットを一つのポップヒットに集約せず、掛け合いの本領も紹介する選曲だ。[13]
聴きどころ
一人のヴァースとしてではなく、二人の言葉が続くリレーとして聴く。
D12の仲間であったProofへ向けた追悼曲。声を張るフックには、整った歌唱だけでは測れない切実さがある。再起のアルバムを支えた喪失を、『Curtain Call 2』のDISC 1終盤に残す。成功や技巧の曲の間に置くことで、書き続ける個人的な理由が見えてくる。[13]
聴きどころ
ラップの密度から、歌へ移る瞬間の声の揺れを受け止めたい。
異様な声色と細かな脚韻が、信頼できない語り手を作り上げる。惨劇を描くフィクションと、作者本人の行為を混同してはならない。Dr. Dreと再び濃密に組んだ『Relapse』の暗い劇場性を、DISC 2の入口で提示する。回復の宣言とは違う、復帰期のもう一つの顔である。[13]
聴きどころ
意味の連続だけでなく、母音の似た響きが何度も戻る仕組みを聴く。
柔らかいギターと旋律の反復が、執着を深める語りを包む。恋愛の始まりと崩壊を同じ音の中に置くことで、聴き心地と内容に距離が生まれる。過激な語り手を読む際は物語上の人物として捉えたい。『Recovery』の対人関係をめぐる暗い側面を代表する曲だ。[13]
聴きどころ
変わらない伴奏に対して、語り手の視野だけが狭くなる流れを追う。
低く重い声とロックの響きが、疎外感を語る長いヴァースを支える。自分の痛みから、似た場所にいる他者を認める言葉へと向かう構造が重要だ。『Relapse』のホラー表現の隣にあった内省を選び、復帰期を単純な一色に塗らないための曲となる。[13]
聴きどころ
自分のことを語る声が、聴き手の居場所へ届く瞬間に注目する。
Rihannaの強いフックと、名声の代償を振り返るラップが組み合わさる。「Love The Way You Lie」と同じ二人でも、焦点は関係の衝突から内面へ移る。キャッチーな旋律の内側で、成功への欲望とその負担を同時に歌う。共演の継続と自己分析の深化が一曲に表れる。[13]
聴きどころ
同じ客演相手による2010年の曲と、歌が担う役割を聴き比べる。
映画『Venom』と結びつくタイトル曲は、『Kamikaze』にも収録された。題名を反復するフックでは、語の意味だけでなく口の動きとリズムが前へ出る。異物が入り込み、語り手を動かすようなイメージをラップへ重ねる。映画タイアップとソロ作の境界を横断する代表曲だ。[13]
聴きどころ
フックの語尾と次の拍が、途切れずにつながる感覚を確かめる。
Eminem、Dr. Dre、50 Centの声が、ゆったりとした跳ねるビートに順番に登場する。鋭い技巧の競争に終始せず、三者の声質の違いを楽しめる構成だ。『Relapse』期の復帰を支える人間関係が、客演としても可聴化される。「Is This Love ('09)」を聴くための近い時代の入口にもなる。[13]
聴きどころ
同じビートの上で、各人がどれほど言葉を詰めるかを比べる。
公式発表が2009年の『Relapse』セッションに結びつける共演曲で、正式な初出は本作である。Dr. Dre、Trevor Lawrence Jr.、Mark Batsonが制作し、Eminemは追加制作に参加する。軽快な伴奏に、芝居がかった言葉と50 Centの低い声が重なる。録音日の詳細や全パートの制作時期までは断定できない。[13]
聴きどころ
『Relapse』の既発曲と並べ、声色と韻の遊び方の近さを聴く。
Ed Sheeranの歌が、裏切りと後悔をめぐる物語に広い入口を与える。Eminemは出来事を順に語りながら、自分の正当化も揺らしていく。歌の親しみやすさと物語の重さの距離が、『Revival』の共演路線をよく表す。個人的な告白として聞こえる演技と、事実の証言は区別したい。[13]
聴きどころ
フックに戻るたび、直前のヴァースがその意味を変えていく。
重いギターとドラム、Liz Rodriguesの歌声を伴い、競争の場に立ち続ける姿勢を強調する。客演表記がなくても、歌を担う参加者は存在する。『The Marshall Mathers LP 2』の中では、回想よりも現在の闘争心が前に出る。ベスト盤のロック色を支える一曲だ。[13]
聴きどころ
大きなフックの背後にいる歌い手と、ラップの硬い子音を聴き分ける。
元の名義はYelawolf featuring Eminem。歌うようなYelawolfのパートから、Eminemの長く密度の高いヴァースへ移る。信仰や支えをめぐる語りを、二人が異なる距離から扱う。Eminemのソロ曲として一括りにせず、客演の仕事も含める本作の編集方針を示す例である。[13]
聴きどころ
途中から加わるEminemが、曲全体の緊張をどこまで引き上げるか。
孤独な演者の独白のように聞こえる言葉が、進行とともに銃乱射事件をめぐる視点へ変わっていく。音と意味を二重に働かせる構造が、技巧を社会的な題材へ接続する。『Music To Be Murdered By』を高速ラップの作品だけにしない、重い中心の一つとして選ばれている。[13]
聴きどころ
同じ言葉の受け止め方が、曲の前半と後半でどう変わるか。
Gwen Stefaniのフックが、名声の持続をめぐるラップを支える。映画『Southpaw』の音楽として発表され、ボクシングの復帰劇と、表現者が地位を守り続ける姿が響き合う。「Phenomenal」と並び、2015年のサウンドトラック活動を示す曲である。勝利の瞬間より、そこへ戻る過程が前に出る。[13]
聴きどころ
歌の長い音に対し、細かいラップがどのように抵抗するか。
Lil WayneからEminemへつながるヴァースが、過小評価や攻撃に応答する。耳に残る歌の反復と、二人の異なる声色が強い対照を作る。同時代を代表するラッパーとの共演を収めることで、『Recovery』の外へ開いた制作姿勢もベスト盤へ引き継ぐ。[13]
聴きどころ
Wayneの間の取り方と、Eminemが後半で増やす音節の密度を比べる。
Nate Ruessの明るさを含む歌声の下で、母との関係と、以前の曲で口にした言葉を振り返る。初期の怒りを単に撤回するのではなく、時間を経て見え方が変わったことを語る曲だ。2005年のベスト盤と対比すると、キャリアの後半に生じた語りの変化が鮮明になる。[13]
聴きどころ
怒りの対象だった人物へ、距離を測りながら話しかける声を聴く。
Baz Luhrmann監督の映画『Elvis』へ提供された曲で、CeeLo Greenが歌を担う。Dr. DreとEminemが制作し、Elvis Presleyの「Jailhouse Rock」を取り込む。両者を同一の存在と決めつけず、音楽史を扱う映画と現代のラッパーの接点として聴きたい。2022年の新しい活動を本作へ加えた曲だ。[13]
聴きどころ
弾むリズム、参照された古い音、CeeLoの太い歌声が同居する感触を聴く。
軽く揺れる伴奏に対し、ラップは相手への怒りと離れがたい気持ちを行き来する。言葉と音の温度差が、恋愛の語りを単純な結論にさせない。DISC 2の既発曲部分を締める題名は、ベスト盤の幕引きにも重なって聞こえる。ただし、この配置の意図を本人の説明として断定するものではない。[13]
聴きどころ
フックの親しみやすさと、ヴァースの相反する感情の距離を聴く。
2013年の「Rap God」を別の伴奏へ置くリミックス。本作の配信版を35曲にする追加トラックで、UMJ掲載の輸入盤2CD34曲には含まれない。原曲の技巧を再確認しつつ、音楽の見え方が伴奏によって変わることを終曲で示す。原曲とリミックスを同じ音源として数えないことも大切だ。[13]
聴きどころ
同じラップでも、拍と低音の置き方が変わると速さの印象はどう変わるか。
「Lighters」「Fast Lane」はBad Meets Evil、「Best Friend」はYelawolfの作品への客演である。公式映像・音源には、アルバム収録版と尺や編集が異なるものもある。原曲の発表年と本作の発売年、MV公開年は区別している。
08 TWO CURTAIN CALLS
2005年の終幕から、2022年の到達点へ。
| 比較項目 | CURTAIN CALL THE HITS / 2005 | CURTAIN CALL 2 2022 |
|---|---|---|
| 中心となる時代 | 1999〜2005年のメジャー期 | 2009年『Relapse』以降〜2022年 |
| 通常版の曲数 | 17曲。デラックス盤は別構成 | 配信35曲/輸入盤2CD34曲/2LP20曲 |
| 代表曲 | My Name Is、Stan、Lose Yourself、Without Me | Not Afraid、Rap God、The Monster、Godzilla |
| 新曲・初出 | FACK、Shake That、When I'm Goneの3曲 | 本作初出はIs This Love ('09)。From The D 2 The LBCとThe King and Iは先行発表 |
| 編集上の位置づけ | 急激な成功を収めた最初の時代の総括 | 復帰後の変化と、ソロ作を越える活動の総括 |
| 音楽の広がり | キャラクター、物語、家族、名声への視線 | 再起、ポップ歌手との共演、技巧、反発、社会的な語り |

09 THE ARTWORK
赤い幕と青い光。正面の人物像を、文字、数字、金属を思わせる装飾が取り囲む。公式ジャケットは、スコア表示を備えたピンボールマシンの盤面を連想させる構成だ。[01]
前作が舞台の上の演者を中心にした表紙だったのに対し、こちらは人物を機械の中の図像として組み込む。拍手を受ける一瞬から、何度もプレイされる音楽へ。この見え方は本ページの編集上の読解である。
10 THE VOICES

FEATURED RAPPER / PRODUCER
Crack A Bottleでラッパーとして参加。Is This LoveとThe King and Iでは制作陣にも名を連ねる。

FEATURED RAPPER
Crack A BottleとIs This Love ('09)。低い声の輪郭がEminemの細かな音節と対照を作る。

CO-LEAD ARTIST
From The D 2 The LBC。ロングビーチの声がデトロイトの声へ応じる。

FEATURED VOCALS
Godzillaのフックを担当。旋律が終盤の高速フロウとの落差を作る。

FEATURED VOCALS
Love The Way You Lie、The Monster。関係の衝突と内面の不安で、異なる役割を担う。

FEATURED VOCALS
Walk On Water。抑制した歌が、完全無欠を求められる人物の不安を受け止める。

FEATURED VOCALS
Bad Meets EvilのLightersに参加。Eminem、Royce da 5’9”の二人を大きな歌でつなぐ。

FEATURED RAPPER
Lucky Youで共演。成功へ向かう視点が、成功後のEminemの視点と向き合う。

FEATURED VOCALS
The King and Iの歌を担当。太い声と弾むリズムで、映画の音楽へ新しい輪郭を与える。

FEATURED RAPPER
No Love。ヴァースを引き継ぐ二人の声と、異なる言葉の置き方が聴きどころ。

FEATURED VOCALS
River。物語の後悔を歌の反復に変え、ヴァースの意味を受け止める。

BAD MEETS EVIL
LightersとFast Laneは、Eminemとのユニット作品。ソロ曲への客演とは異なる名義だ。
12 JAPAN / RELEASES
『Curtain Call 2』の収録曲数は、選ぶ媒体で変わる。日本のストアで扱われる輸入盤と、日本独自仕様の国内盤も区別したい。
DIGITAL / 2022.08.05
DISC 1は18曲、DISC 2は17曲。最終曲にRap God (Mr. Cii Remix)を収録する配信版。本ページの全曲ガイドはこの版に対応する。[02][03][17]
Spotifyの配信版を確認 ↗IMPORT 2CD / 481-7107
UMJ掲載の輸入盤は2022年8月5日発売、2枚組。18曲+16曲で、Mr. Cii Remixは曲目欄に含まれない。輸入盤の国内販売であり、日本盤と同義ではない。[04]
UMJの輸入盤2CDを確認 ↗IMPORT 2LP / 4480-24
通常盤アナログは全20曲へ絞った選曲。UMJには2022年11月11日発売とある。限定オレンジ盤459-4446も2LPで、同ページ上の発売予定日は11月25日だ。[05][06]
通常盤2LPの曲目を確認 ↗LP1 A:Godzilla / Crack A Bottle / Walk On Water / Gnat / Space Bound
LP1 B:Love The Way You Lie / Rap God / No Love / From The D 2 The LBC / River
LP2 A:Not Afraid / Venom / Lighters / Survival / Higher
LP2 B:The Monster / Lucky You / Is This Love (’09) / Berzerk / Beautiful
『Curtain Call 2』の日本国内盤CDは発売されていない。日本国内で販売されているCDは輸入盤であり、日本独自仕様の国内盤とは異なる。限定盤の在庫・価格・販売条件は購入先で確認する必要がある。[04][22]
13 LISTEN & OWN
その先は、音の中へ。
購入はリンク先の商品情報で、版・曲目・販売条件を確認した上で行う。本ページの購入先リンクにアフィリエイト識別子は使用していない。
操作後に公式プレイヤーを読み込む。自動再生なし。
Spotifyでアルバムを直接開く ↗
15 QUESTIONS / ANSWERS
2022年8月5日に発売されたEminemのベストアルバム第2弾。2009年のRelapse以降のソロ曲に加え、共演、Bad Meets Evil、客演、映画への提供曲を収める。
2005年の前作はメジャー期初期の代表曲を中心にした通常盤17曲。2022年の第2弾は復帰後の活動を中心に、配信版35曲、輸入盤2CD34曲、2LP20曲で展開する。
2022年の新しい楽曲としてFrom The D 2 The LBC、The King and I、Is This Love ('09)が入る。前の2曲はアルバムに先行して発表され、本作が正式初出となるのはIs This Love ('09)である。
配信版はRap God (Mr. Cii Remix)を含む35曲。UMJ掲載の輸入盤2CDは同リミックスを含まない34曲。2LPは20曲に絞った別の曲順である。
公式発表は2009年のRelapseセッションに由来すると説明する。発売は2022年。録音日の詳細、全パートの収録時期、後年の編集工程すべてを確認できるわけではない。
『Curtain Call 2』の日本国内盤CDは発売されていない。CDで購入する場合は、輸入盤の2枚組が選択肢となる。日本国内の店舗で販売されていても、輸入盤が日本盤になるわけではない。
EminemとRoyce da 5’9”のユニットBad Meets Evilの曲。LightersにはBruno Marsが参加する。Best Friendも元はYelawolf featuring Eminem名義の作品だ。
LISTEN & OWNにSpotifyの全35曲版とクリック式プレイヤーを用意した。全曲ガイドには各曲の公式YouTubeリンクがあり、4つの大型特集では公式プレイヤーも読み込める。
16 SOURCES & IMAGE CREDITS
基本情報・曲順・制作参加者は公式資料を優先し、音楽と歌詞の意味は本ページ独自の言葉で解説した。未確認の録音日、売上、認定を推測で補っていない。確認日:2026年11月3日。
全35曲の公式動画・音源は各曲欄から参照できる。Billboard本体の対象チャートは閲覧に制限があり、米国順位は当時のBARKS報道を用いた。
画像は縦横比を維持した縮小・WebP変換。表示時にトリミングと色調調整を行う。顔・身体の生成や変形は行っていない。共演者の資料写真は録音現場を再現した写真ではない。画像単位の出典、派生ファイル、権利確認の詳細は同梱のIMAGE_CREDITS.jsonに記載する。